サンタフェは、私たちが思っていたよりもずーっと多様で複合的な歴史の積み重なりによってできた地区でした。
北アメリカがどのようにしてアメリカ合衆国へと変わっていったのかを考えるとき、多くの場合「西部開拓(フロンティア)」が主軸として語られます。
主に「アングロ」たち(サンタフェ近辺のプエブロ・インディアンたちは東部から侵略してきた人々をこう呼びます)が、大西洋沿岸から太平洋沿岸へと向かってその領土を拡大していった結果、「アメリカ」という国が完成したというわけです。
私たちは、サンタフェ近辺をフィールドワークすることにより、この歴史観が「神話」であることに気が付きました。
サンタフェは、ネイティブ・アメリカン、スペイン人入植者、「アングロ」たちなど多様な人々によって作られてきた街です。それぞれの文化が混ざり合って生まれた、その独特な風土と複合的な歴史は、「アングロ」による「フロンティア」だけで語りつくせるものでは到底ありません。
← ネイティブ・アメリカン、スペイン人入植者、アメリカ総督と支配者が移ったためにそのすべての建築様式が混ざり合った建物、パレス
このように複合的なアメリカ社会のでき方をより多くの人たちに向かって発信するために、私たちはサンタフェにある歴史博物館(New Mexico History Museum)の日本語パンフレットの製作を行うことになりました。
この地を訪れる日本人観光客が実際に手に取るものを作るということは、適当な仕事をするわけにはいきません。
サンタフェとはどのようなところなのか、どのような歴史背景を持ち今に至るのかを、「インディアン」をキーワードにして、テキストや映像を参考にして理解を深めました。
多くの現地のミュージアムを見学し、多くのプエブロたちからお話しを聞き、時には実際に工芸品を作ってみるなどの体験を通して、その歴史や文化を学びました。
完成したパンフレットは、実際にNew Mexico History Museumに置いていただいています。
また、このHPでもパンフレットを公開しています。
▼ パンフレットは、こちらからもご覧いただけます。
これを見てサンタフェを訪れたことのない日本人が、
サンタフェを通じて本当に複合的な歴史・記憶を持つアメリカ社会に
興味を持ってくれたらとてもうれしいです。
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